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がんちい日記 我的土岐生活

がんちい日記 我的土岐生活

入院日記

この日記のスタートは入院だったのですが、この入院日記を途夢郷さんが御覧になり、途夢郷さんのメルマガ「技術者のための中国語講座」に掲載しないかと誘われたので掲載することになりメルマガ用に書き下ろしました。
日記はざっと書いただけなのですが、メルマガの原稿はなるべく詳細に書きました。

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■11月13日:病気の始まり

今日は朝起きて掃除と洗濯をしてご飯を食べたあと、ちょっと疲れたので寝転
びながらDVD「オレンジデイズ」を見ていました。ちなみにこのDVD、回
の初めに「この番組は御覧のスポンサーでおおくりします。」と提供が入り、
終わりには「この番組は御覧のスポンサーでおおくりしました。」とまた提供
が入ります。

そして幾つかの回には、途中に「世界うるるん滞在記は10時30分からの放送と
なります。」と画面の上に表示されます。日本の公共放送からコピーするとは
さすがコピー天国中国恐るべし。

そして、うとうとしていると何か身体がおかしいのです。膝が痛くて悪寒がし
ます。「何だろう?」と思いつつそのままほっとくとどんどん悪化してきまし
た。全身に激痛が走り、半端じゃない寒気がします。これは熱があるなとやっ
と気づき布団を被り寝ました。しかし、一向に治まりません。

そこで、風邪薬「白加黒」を飲みました。「白加黒」はTopsunという中国の製
薬会社が販売している風邪薬で、白い錠剤を飲むと眠気が襲ってこず、黒い錠
剤を飲むとよく眠れると言う代物です。しかし、全然効果なし。「効果ないぞ
Topsun!」と心の中で怒るが意味なし。。。

夜になってますます酷くなったので、たまらず中国人の友人Aにうちに来ても
らいました。友人Aに病院にいくかと訊ねられましたが、起き上がる気力も無
いので明日にしてもらいました。そして、深夜に下痢が始まり何度もトイレを
往復する羽目に。。。


■11月14日:初入院

昨晩、トイレを行ったり来たりした為あまり眠れませんでしたが、汗を大量に
掻いたため少しは楽になってました。そこで、友人Aと共に「広州市第一人民
病院」へ。

ここの病院は、以前うちの総経理が広州で5本の指に入る病院と言っていたの
と、以前出張者がここの病院に入院した際に付き添いで来た事があるのでここ
にしました。

受付で名前を書くと、「外国人なら外国人専用の診察室があるからそこに行き
なさい。」と言われ連れて行かれました。その診察室に着くと、「ここはロー
カル用の診察より高いけどいいか?」と聞かれました。そんなこと先に言え!
と思いつつ、戻る気力も無いので承諾。そして、医者が来て診察開始。

この医者は英語が喋れる訳でもないようでした。何のための外国人専用だと思
いつつ診察を受けました。熱を測ると39.2度、今の方が昨日より少しましなの
で昨日の方が高かったのかと思うとぞっとします。

そして検査の結果、腸にウィルスが感染しているとのこと。点滴を長時間打た
なければならないので、入院するよう勧められました。入院などしたくなかっ
たのですが、点滴が深夜までかかるというのでしぶしぶ承諾しました。

実は僕、2、3歳の頃日本で入院して以来入院なんてした事ないんです。これが
実質的に初入院。初入院が中国なんてちょっとドキドキです。

さて入院する部屋ですが、最初は8人部屋しかないと言われましたが、それは
やだと言うと個室を探してくれるとのこと。僕は動けないので友人Aに入院手
続きをしてもらいました。カードで保証金5000元を支払いました。これで逃げ
られませんね。。。

準備が出来たそうなので車椅子で連れて行ってもらい、入ってみると、これが
個室かい!と突っ込みたくなるような部屋です。広い部屋に4つベットがあり、
一番窓側のベットが壁で仕切られていてドアが付いています。しかし、その壁
にはガラス窓があり隣がみえみえで個室には程遠い。その一番窓側のベッドが
僕の個室です。。。

文句を言いたかったですがその気力も無くそのベットに寝て点滴開始。入院す
るとは思っていなかったので何にも持ってなく、友人Aにうちに帰って日用品
等持ってきてもらいました。

友人Aが去ってしまった後、トイレに行きたくなり看護婦を呼んで点滴を持っ
てもらいトイレに行きました。看護婦はなんかいやそう。。。トイレに付くと
トイレットペーパーが無いので、「無いよ?」と聞くと「ある訳ないじゃない」
との返事。しょうがないので頼み込んで看護婦に持ってきてもらいました。こ
れ以降はだめそうです。ベットに戻り急いで友人Aにトイレットペーパーも持
ってくるようメールをしました。

ベットで寝ていると途夢郷さんより「今日はどこで落ち合う?」とのメール。
がーん!そうだった今日は途夢郷さんと一緒にお食事するはずだったんだ・・
「入院してしまいました。すいません。」と急いで返信。途夢郷さん、本当に
すいません。

なかなか帰ってこなかったのですが、ようやく友人Aが色々持ってきてくれま
した。やっと一安心です。そして、友人Aは明日仕事だからと帰ってしまいま
した。

ぐったり寝ていると、隣のおじさんを看護しているおばさんが、「あんた、点
滴1本もう終わるよ!早く次のに換えてもらいなさい!」と言われ慌てて看護
婦を呼びました。点滴も自分で見て終わりそうになったら看護婦呼ばないとい
けないのですね。。。

夜、下痢をしているため何度もトイレに行きましたが、看護婦を呼ぶのも面倒
くさいので自分で持ってトイレに行きました。自分で持つと血が逆流して痛い
んですよね。。。

そして1時頃点滴終了!晴れて自由の身となった僕は、洗顔と歯磨きをして就
寝です。

■11月15日:入院二日目

朝起きるとだいぶ楽になっていました。そして、医者が来て診察。
どこが痛いとか、いつから熱が出たのか等を答えます。
どうも病名は急性胃腸炎のようです。

その医者が去るとまた違う医者が来て同じように質問されて同じように答えま
す。何で二人も?と不思議がっていると、また違う医者が来て同じ事の繰り返
し・・・。そんなの最初に来た医者に全部話した!全部最初の医者に聞けばい
いだろう!と言いたかったのですが、昨晩余り眠れずぐったりしていたので適
当に答えました。

診察が終わるとまた点滴開始です。あー、やだなー何時までかかるんだろう。
友人Aの持ってきてくれた小説を読んで過ごしました。

昼前に給食のおばちゃんが来て、ご飯を食べるにはカードを買わないといけな
いと告げられました。カードを買う場所が外なので点滴してるから行けないと
いうと、広州に親人はいないのか!しょうがないから看護婦に買いに行かせて
やると言われ、むかつきましたが飯も食えなくなると困るのでお金を渡しまし
た。

そして、食器はあるのか?と訊ねられ無いと答えると、それも買いに行かせる
から金を出せ、と言うのでまた渡しました。ここでは何でも自給自足なんです
ね。。。良くわかりました。

看護婦がカードとタッパを買って来てくれました。この食事カードは最初に85
元払って買い、中のお金がなくなったら継ぎ足し、退院する時に中のお金を返
してくれるというシステムのものです。

そして、給食のおばちゃんがタッパに味も何にも無いおかゆを入れてくれまし
た。医者からおかゆ以外食べてはダメと禁止されているのです。。。値段を聞
くと一食0.6元、85元使い終わるまで何日かかるんでしょうね。一応食べるが、
うーん不味い。なんせ塩すら入ってませんからね。

しかし、1人で入院していると本当に不便です。結構体調は良くなってきたの
で看護婦に退院したいと訴えましたが、完治するまでだめだとダメダシされま
した。

うーん、困ったなあ、友人Aはもう仕事だしなあ、と考えていると、ある人の
ことを思いつきました!その名は友人Gさん。隣の東莞市たんしあで働いてい
ましたが、総経理と一悶着あり最近辞めてしまったんだった!
早速電話、快く承諾していただき明日来てくれることになり、これで一安心。

小説も読み終わってしまったので、TVを見ていると10時に強制終了。しかし、
まだ点滴が終わっておらず寝付けず。点滴が終わったのはまた1時でした。。。


■11月16日:入院三日目

朝起きて寝転んでいると、医者の集団に取り囲まれました。そして一番年寄り
の医者の診察を受けました。他の医者は見ているだけ、どうやらその他は見習
いのようです。僕の診察が終わると、そのまま医者が今日の注意事項等をほか
の見習い君達に伝えています。

そんなの俺の頭の上でやんな!と怒鳴りたかったですが、低血圧なのでその元
気もありません。中国で入院するって本当にストレスがたまりますね。そして
診察後また点滴開始。。。

そして、11時半頃救世主Gさん到着。待ってましたよー。早速食器を洗っても
らったり、トイレに行くのに点滴を持ってもらったりしました。いやー、楽チ
ン楽チン。付き添いの人がいるのがこんなにいいものだとは思いませんでした。

そして昼食後、うちに必要物資を取りに行って貰いました。Gさんはうちに泊
まったことがあるので指示も楽です。昨日は持って来て貰った本もすぐに読ん
でしまったためすごく暇だったが、今日はGさんという話相手がいて幸せです。

夜になりGさんが帰ったあと、最後の点滴がなかなか終わんないのである看護
婦が速くしていくと、とたんに激痛が走りたまらず看護婦を呼んで「痛い!」
と訴え遅くしてもらいました。看護婦に聞くと今打ってる点滴は刺激性がある
ためあまり速くすると痛いのだそうです。くそー、あの看護婦もっと考えて行
動しろ!

そして、遅くしてもらった為点滴が終わったのは夜中の2時でした。。。朝の9
時頃から打ってるため計算すると17時間打っていたことになります。おかげで
左手はむくれてパンパンです。あー、もう点滴はやだ。

終わってからシャワーを浴びようと思ってたけど、疲れたので寝ちゃいました。

■11月17日:退院

朝おきて、昨晩うちに泊まってもらったGさんにシャンプーとか持ってきても
らいシャワーを浴びました。結局今まで点滴で浴びれなかったので、すごく気
持ちいいです。

ベッドに戻ると点滴が用意されていたので、もう元気だからいいと拒否しまし
たが、昨日のうちに準備して伝票に書いてしまったので返しても金は返ってこ
ないと言われました。それじゃあ、もったいないから打つか、と打ってもらい
ました。

しかし、医者は昨日の夜にも診察に来て点滴止めるべきだと思いませんか?
もう元気なのに点滴を打たれてぼったくられた気分です。

そして「B超」と呼ばれる内臓の超音波の検査を受けに隣りの病棟へ。点滴を
打っているため車イスで連れて行かれました。点滴打って車イスに乗ってるか
ら、周りの人は僕が実はぴんぴんしてるとは思わないだろうなーと思いつつ

「B超」の部屋へ。この「B超」の担当者は僕が日本人というのが珍しいらし
く、しきりに話し掛けてきます。うるさいな、と思いつつ適当に受け答えして
終了です。

ベッドに戻ると医者がきて診察を受けましたが、このおじいさんの医者は診察
もそこそこに病院の隣の寺の話などしてきます。退院の話もなかったので、あ
とで看護婦に今日退院したいと言いました。明日の午後でもいいかと言われま
したが、慌てて「今日の午後に絶対する!」とゴリ押して承諾させました。
やったー、やっと退院だー!

許可が下りたので昼ご飯はGさんに外で買ってきてもらいました。なんせ今ま
で味もなんにもないおかゆしか食べてなかったので味のあるものが食べたかっ
たのです。。。

Gさんが肉入りのおかゆを買ってきてくれました。これがすごくうまい。なん
せ、日曜からまともなもの食べてませんでしたからね。感動してしまいました。

そして、午後2時半より退院手続きができるとの事で2時半に点滴を強制終了。
Gさんに荷物を見ててもらい、外の「決算所」へ。食事カードの中のお金を返
してもらい、入院費の清算を行いました。結局2000元程かかったので3000元現
金で返ってきました。

そして晴れて退院!シャバの空気はうまい!と言おうとしたらまずい。。。
広州は空気悪すぎです。何とかして下さいよ。

そしてGさんと病院の近くに「新概念創作料理」という謎の名前の日本料理屋
へ行きました。退院早々カツ丼とざるそばを平らげる僕をみてGさんあきれて
ました。なんせまともなもの食べてなかったんで、反動です。

そして、Gさんと帰宅。こうして3泊4日の入院生活が終わったのでした。


■入院総括

中国の病院に入院してて感じた事、注意点をまとめてみます。

1.中国の病院では携帯OK
 なんせ医者が患者を診察中に携帯が鳴って、慌てて外に出て話してました。
 通話費を気にしなくていい人なら暇しなくていいかも。

2.付き添いは絶対必要!
 中国の看護婦は日本のように至れり尽せりのサービスはしてくれません。
 入院する前に付添してくれる友達くらい作っておきましょう。(友達も少な
 い暗い自分がダメなだけ?)

3.点滴に対する準備が必要
 中国は点滴大国(?)です。なにせ風邪ひいて病院行っただけで点滴打たれ
 ます。入院の場合、かなりの長時間打たれる事が予想されます。片手しか使
 えなくなる為、文庫本、ウォークマン等用意するとよいでしょう。

4.日用品は全て持っていきましょう。
 トイレにトイレットペーパーもありません。「トイレットペーパー無い?」
 と聞くと、「そんなの有るわけないじゃない。」という答えが返ってきます。
 全て自給自足です。食事の食器すらありません。考えられるものは全て持っ
 ていきましょう。

5.昼寝タイムを守りましょう
 中国では昼食後必ず昼寝をします。寝ていないと「何で寝ないの?具合悪い
 の?」と聞かれます。12時半よりTVもシャットアウトされます。素直に寝
 ときましょう。

以上です。

以上の注意点を守って楽しい入院ライフを送ってくださいね。



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